Alexander Murray - Polly's Casks 750ml / ポリーズ・カスク

ビールをウィスキーのバレルで熟成させる例は数あれど、ビールを熟成したバレルでウィスキーを熟成する例は数少ない。

カリフォルニアのセントラルコーストにて、世界でも数少ないビールの主発酵にバレルを用いる“Firestone Union System”を有し、かつ、バレルエイジを専門とする“Barrel Works”を展開するFirestone Walker。

その共同創業者であるDavid Walkerと、その妻Polly Firestone Walkerが、ウィスキーのインディペンデントボトラーズであるAlexander Murray社の創業者Steve Lippとディナーを楽しみながら、バレルエイジングの可能性を語り合っていた時、その実験的試みが動きだした。彼らは間もなくFirestone Walkerの限定商品であるDouble DBAの熟成で使用した60樽あまりのBourbon Barrelを大西洋を越えスコットランドに送った。

バレルエイジの可能性を追求した、ビールとウィスキーの美しき円環。Firestone Walker の20周年を記念するとともに、Davidの妻Pollyの50歳の誕生日を祝して行われた新しいチャレンジが始まった。

原酒として選ばれたウィスキーはハイランド地方の“Tullibardine(タリバーディン)”。1488年、スコットランド王ジェームズ4世が、その当時BreweryであったTullibardineに立ち寄りビールで喉を潤し、その後ビール販売の勅許を与えたといわれる、ビールにも所縁のある醸造所である。

オークバーボンバレルでの比較的短期の熟成を経たTullibardineのウィスキーをDouble DBAのバレルに詰め替え、12ヶ月熟成。

その明るい麦色の液体からは、軽やかでフルーティーなアロマの中に、かすかにバーボン樽由来の干し草やバニラ、Double DBAのバレルに由来する油分を含んだココアのようなアロマが感じられる。口に含むと、瑞々しいストーンフルーツ、潮っぽさ、若々しいモルトの甘みが広がり、レモンの皮のような心地よい苦み、カカオのような深みが程よい余韻を残す。

ここにハイランドウィスキーらしい滑らかさを持ちつつ、ビールの熟成樽から来る複雑さを持ち合わせた、文字通り並ぶもののない、チャレンジングなウィスキーが誕生した。

• Region: Highlands, Scotland
• Distiller: Tullibardine
• Bottler: Alexander Murray
• Mashbill: 100% Malted Barley
• Cask: ex-Bourbon and ex-Firestone Walker Beer Barrels (Double Barrel Ale)
• Age: -
• ABV: 40%