Karl Strauss Brewing Company / カールストラウス ブリューイング

創業:1989年

拠点:カリフォルニア州 サンディエゴ

禁酒法後、サンディエゴに興った初めてのクラフトブリュワリーがカールストラウスだった。


「クラフトビール」の概念がまだ無かった1989年の創業当時から、サンディエゴビールシーンのゴッドファーザーとして君臨し続ける大家。


1990年代以降サンディエゴはより多くのブリュワリーの本拠地となったが、ビール熱狂家やブリュワーの多くがまずカールストラウスでビールを学んだのである。

ブリュワリー名の「カール・ストラウス」とは実在した人物の名前で、創業時から2006年までの間マスターブリュワーとしてブリュワリーを支えた人物だ。


カールは1912年にドイツにて生誕。


彼の父が所有していたブリュワリーの施設内で生まれたカールは、幼い頃からビール樽やホップ、モルトに囲まれた環境にいた。

生まれながらに生粋の「ビール人」だったのだ。


大学でモルティング・ブリューイングについて学んだ彼は、1939年に渡米しミルウォーキーのPabst Brewing Companyでキャリアをスタート。


その後、1983年の退職まで、44年間に渡って同ブリュワリーに貢献し続けたのだった。

退職後もコンサルタントとしてビール業界の発展に尽力していたカール。


そんな彼のもとに、いとこのクリス・クラマー(Chris Cramer)とマット・ラットナー(Matt Rattner)がやってきて、「マイクロブリュワリーを始めたいんだ」と相談を持ちかけた。


カールは素晴らしいアイディアだといって、設備のデザイン・ブリュワーの訓練やビールレシピの考案など熱心に手助けをしてくれたのである。


さらにブリュワリーに自分の名前を貸し出してくれ、ブリュワリーの顔となった。


没年の2006年まで働き続けた彼の情熱はブリュワリーの人々を、ひいてはサンディエゴビールシーンに関わる多くの人々を鼓舞した。

そして、彼の精神は今なおブリュワリーに生き続けるのである。

地元に深く根差したブリュワリー「カールストラウス」。


テイスティングルームに地元アーティストの絵画や写真を展示して、砂浜と照り付けるような日差しに留まらないサンディエゴの魅力を発信している。


毎年夏の期間は"ARTS & AMPS"と呼ばれるイベントを月に1度開催し、地元アーティストの絵画や音楽、そしてもちろん美味しいビールを楽しむ機会を提供している。

また、近年ではアメリカのサーファーのドキュメンタリー映画、The Endless Summerから着想を得たハードセルツァーの新シリーズとして"Endless Summer"を立ち上げるなど新たな市場を開拓している。

"CRAFT BEER IS NOT JUST A JOB. IT’S WHO WE ARE. (クラフトビールは単なる仕事ではない。それは我々のあり方そのものだ。)"と掲げる彼ら。


創業から四半世紀以上経った今でも、カールストラウスの存在はビールシーンをインスパイアし続けていく。

タップルーム

Tasting Room & Beer Garden (カリフォルニア州 サンディエゴ)