New Belgiumについて

ベルギーにて

1988年、西ヨーロッパ・ベルギー。
32歳の、まだ心は少年のように若いその男性は自転車に乗っていた。
大志を胸に抱いた若き自家醸造家は、愛車である大口径タイヤ(ファット・タイヤ)を履いたマウンテンバイクに乗り、ヨーロッパ各地のビール名産地を巡る旅を行っていた。

その旅の中で、ベルギーのビール造りにインスピレーションを得た共同創業者ジェフ・レベッシュ(Jeff Lebesch)はフォートコリンズ(Fort Collins)に戻り、
たくさんのレシピのアイデアと原料を手に、未知の世界へと旅立つ準備に取り掛かった。

フォートコリンズの奇跡

1991年、アメリカ西部コロラド州北部の街、フォートコリンズ。
自宅の狭くて小さな地下室でNew Belgiumは醸造を開始した。
それはまさにジェフの夢が現実となった瞬間であり、同時にアメリカで最初のベルギースタイルを専門に造るクラフトブリュワリーの誕生であった。

彼が最初期に造った二つのビールは、アーシーさを持つブラウン・デュベルのAbbeyと、際立ったバランスの良さを持つアンバーエールであり、後に全米第一位の売り上げにまで上り詰めることとなるFat Tireである。
同じく共同創業者で彼の妻、ソーシャルワーカーでもあり、そして二人の子の母親でもあったキム・ジョーダン(Kim Jordan)は近所を周り、人々に彼らのビールを飲んでもらうマーケティングプロセスを始めた。
オリジナルのFat Tireの水彩画ラベルを描き、その後23年以上にわたってブリュワリーのブランドを支えている芸術家のアン・フィッチもその隣人の一人であった。
当初は主にパッケージ商品の販売に特化していたこともあり、たちまち彼らの造るビールは熱狂的なファンを獲得し、翌1992年に自宅の地下室にあった小さなブリュワリーはフォートコリンズの元は貨物倉庫だった場所に拡大移転した。
それでも増え続ける需要に対応しきれず、1995年12月には総工費$5,000,000(約6億2500万円)をかけて建設した現在のブリュワリーに再び移転する。

成長の中で変わるもの、変わらないもの

看板商品Fat Tireの人気がブリュワリーの成長を後押しし続けるにつれ、ジェフは誰かの助けを得る必要性に気付く。 そこで志高いブリュワーであったブライアン・キャラハン(Brian Callahan)が加入し、それと同時に彼はブリュワリー最初の従業員兼所有者となった。
1996年、ベルギーの名門ローデンバッハ(Rodenbach)のブリューマスターであったピーター・ブケルト(Peter Bouckaert)を迎える。

翌1997年、現在ではブリュワリーを代表するサワービールの一つであるLa Folieがリリース。
彼の加入によって今日のサワービールを得意とし、木樽の森と称される全米最大のサワー醸造設備を誇るNew Belgiumの新たな側面が築き上げられていった。
時は経ちジェフがブリュワリーの運営以外の事に興味を持つ様になっていく中で、
ピーターが彼に代わってブリュワリーの運営を担うようになっていった。

2009年、ジェフは完全に第一線を退き、ブリュワリーはキム、ブリューマスターであるピーターと従業員全員で運営を担っていく事となった。
キム無しにブリュワリーの歴史は語れず、最初のボトラーであり営業、流通、マーケティング、そしてフィナンシャルプランナーの役割全てを彼女が担っていた。
彼女は2001年よりブリュワリーのCEOを務めている。
夫妻が作り、そして今日のNew Belgiumを築き上げた、ブリュワリーの根幹をなす10の信条は今も全従業員によって大切に守られている。

成長に次ぐ成長

その後もブリュワリーは順調に成長を続け、1998年には年間醸造量がついに100,000バレル(約1,174kL)を突破。
1999年、アメリカ初の100%風力発電により稼働するブリュワリーとなった。
これは同年、ブリュワリーで最も多くCO2が排出されている場所の調査を行ったところ、石炭と水力によって稼働している発電所であることが判明。
しかしCO2排出削減のため、風力発電に切り替えるにはコストがかかる。そこで株主である従業員全員で話し合い、投票の結果全員一致で風力発電に切り替えることに決定し、
そのコストを補うためのボーナス削減も全員承諾のもとに行われた。

2000年のGreat American Beer Festivalで中規模ブリュワリーチャンピオンの栄誉に輝く。
そして10周年を迎えた2001年にはついに全米第5位の規模までに成長、そして更に前年に引き続きGreat American Beer Festivalで中規模ブリュワリーチャンピオンを2年連続で受賞
怒濤の勢いはとどまるところを知らず、15番目の地域となるカリフォルニア州での流通を開始し、最高の形で10周年を迎えた。
2015年時点で流通地域は更に増え、全米39州とワシントンD.C.及びカナダ西部ブリティッシュコロンビア州で彼らのビールは販売されている。
時を同じくしてブリュワリーの規模を3倍にまで増やす拡張を開始した。
2007年には全米有数の巨大空港であり、アメリカで最も混雑する空港の一つに数えられるデンバー国際空港のコンコースB内に直営店「New Belgium Hub」をオープン。
フライトまでの待ち時間の間に彼らのビールを楽しめるようになっている。

新たなる挑戦

設立21年目を迎えた2012年、第二のロケーションとして東海岸ノースカロライナ州アッシュビルに総工費$175 million(約219億円)をかけ、新ブリュワリーを建設する事を発表。
2016年初旬稼働開始予定で、年間醸造量は当初500,000バレル(約58,673kL)を予定、需要に応じ最大で750,000バレル(約88,010kL)まで拡張可能となっている。
200バレルサイズの醸造設備を備え、テイスティングルームも併設、更には屋上でビアガーデンなども行えるような施設となる予定。
Sierra Nevadaのアッシュビル・ブリュワリーからは約16km北に位置する。

そして未来へ

2013年から翌年にかけての成長率は18%を記録。
そして2014年にはNew Belgiumと同じくCertified B認証を受けているアウトドアブランドである、
パタゴニアの40周年を記念しコラボレーションビールを醸造。ビールとアパレルという新たなコラボレーション形態として注目を集めた。
他のブリュワリーとは一線を画す、そのユニークな発想で成長し続けるNew Belgiumは、これからも我々を興奮と驚きで楽しませ続けてゆく。

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